許可要件7:業務需要
許可要件としての業務需要は、量的要件とも呼ばれ、「許可を受けようとする場所が保税蔵置場としての利用の見込み又は価値が少ないと認められる場合」(関税法第43条第10号)には許可しないことができると規定されています。
量的要件についての具体的な取り扱いは関税法基本通達43-1(4)で
申請にかかる施設の輸出入貨物取扱見込量が、当該施設の所在する港湾又は地域における既存の同種条件にある保税蔵置場等に比較して同程度かそれ以上であると認められるものであること。ただし、次に掲げる施設で事情やむを得ないと認められるものについてはこの限りでない。
イ. 港湾及び空港の機能を維持するために必要と認められるもの(例えば、船(機)用品、航空機部品を取り扱うもの等をいい、当該港湾地帯に他の通関施設がないために設置する必要があると認められるものを含む。)
ロ. 危険品又はこれに準ずる貨物を蔵置するためのもの
とされています。
上のイ.港湾や空港の機能維持に必要な施設、ロ.危険品等の蔵置施設では、やむを得ない事情があれば価値を認めて量的要件クリアとなりますが、これ以外の施設の場合は、施設所在地に既にある同種条件の保税施設の輸出入貨物取扱量と同等以上の貨物取扱見込量が必要になります。
同種条件というのは、輸出入の別、商品の種類、冷蔵庫か一般倉庫かといった条件が似かよった施設ということになります。いわば同一エリアのライバル施設といえますし、判断材料とすべき輸出入貨物取扱量が公表されているわけではありませんので、量的要件がクリアできるかどうかの判断は、具体的な利用見込み企業と商品別の取扱見込量を示して、保税許可の申請税関に確認するしかありません。
顧客サービスとして必要かつ継続的な事業として成り立つとの経営判断があることも欠かせません。
保税許可要件についてはここまでとします。