基礎知識1:保税蔵置場とは
倉庫業、運送業の方の中には客先から「おたくはホゼイを持ってる?」とか「ホゼイを取ってほしい」といった声を聞くことがあるかもしれません。
そもそも「ホゼイってナニ?」という疑問には「保税」をインターネット検索してみれば、Wikipedia、税関、日本関税協会、ジェトロ(日本貿易振興機構)、物流企業などなどのウェブページがいくつもヒットします。
でも、皆さんの関心の対象は、保税地域は5種類あるとか、それぞれの役割の違いとかではないはず。
ターゲットは恐らく「保税蔵置場」です。「ほぜいぞうちじょう」と読みます。「ほぜいぞうちば」と呼ばれることもあります。
「保税蔵置場」をざっくりと説明すると、日本から外国に輸出する貨物、あるいは国内に輸入する貨物に必要な税関手続の間、貨物を置いておくための場所といえます。
税関長から輸出や輸入の許可を受けるためには原則として保税地域と呼ばれる場所に対象貨物が置かれた状態でなければならず、そのような税関手続のための場所として一般企業が設置するのが保税蔵置場なのです。
もう一つの可能性として「保税工場」(「ほぜいこうじょう」と読みます。)もありますが、これは海外の原材料を使って輸出製品を製造する業態で、原材料の関税(かんぜい)負担を回避するケースになります。保税工場の許可を受けるためには、工場での製造管理など「保税蔵置場」にはない条件が求められます。しかし、関税率ゼロの品目もあることや関税率そのものが低下傾向にあることから、保税工場が必要になる状況は限定的だと思われます。
ということで、ここでの情報は「保税蔵置場」を対象としていますが、保税工場にも共通する部分が多くあります。保税の基本を押さえるところでは大いに参考にしてもらえると思います。